雑記

陽はまた香る

去る8月25日、埼玉県上尾市にある、原市アースカフェにて
「Happy 陽 Day 3rd」という名のライブを観てきた。

同日同時間、下北沢にて、S.WYOLICAことso-toのピアノ弾き語りがあり
WYOLICAファンを公言している筆者としては、二者択一を迫られたのだが
迷うことなく、アースカフェへ足を運んだ。

理由は一つ。
高実子陽香としての、初のワンマンライブが待っていたからである。

高実子陽香と書いて、果たして何人の人が正確に読めるだろうか。
恥ずかしながら、筆者も、直接本人に伺うまでは読めなかった。

「たかじっこ はるか」
これが彼女の本名であり、アーティスト名である。

「Happy 陽 Day 3rd」から遡ること約2週間。
エムズサマーフェスタというライブが行われ
そこで彼女は、これまでの「Ha°Ru」から改名したことをファンの前で宣言した。

愛称から本名へ。

のちに、実はかなり悩んだと告白した通り
この決断に至るまでの彼女の葛藤は押して量るべきである。

アーティストが名前を変える。
しかも本名を名乗る。
ここに彼女の並々ならぬ決意の大きさと
音楽へ対する愛情の深さを感じないわけにはいかない。

「Ha°Ru」としてのワンマンライブは、これまで2回行われている。
しかし、高実子陽香としてのワンマンライブは今回が初である。
TEAM Ha゜Ruの一員を自称する筆者としては
やはり見届けないわけにはいかないのだった。

さて、肝心のライブの中身にも触れておこう。
彼女の歌声を生で聴くのは、およそ3か月ぶりである。

その間、彼女は、もうやめて、わかったから、とこちらが叫びたくなるほど
精力的にライブ活動を行ってきた。
場数を踏むことで、経験値が上がる。
経験値が上がることで、次のステージへたどり着くことができる。

おそらく彼女の場合は、この循環が非常にうまいこと回転したのだろう。
彼女は今、伸び盛りの成長期に入っていると言ってもいい。
ライブハウスで流した汗、流した涙、笑顔、喜び、悲しみすべてが
彼女の血となり肉となっている。

証拠に、Ha°Ruとして初めてワンマンを行った時と比べて
この日のライブは、緊張感もほどよく解けて
小さな体で所せましと躍動し、リードボーカルとして先頭を突っ走っていた。

そのテンションとエネルギーの前に、客席の方が置いていかれるほどだった。
もし、彼女の1stCDを持っているなら、ぜひ聞き比べてほしい。
アーティストとしての成長はもちろん
アスリートとしての才能も開花し始めていることに気がつくだろう。

本人しか分からないところで紆余曲折はあったにせよ
外野から見ている身としては、今の彼女には追い風が吹いているように映る。

だからこそ、問題はこの先である。

まず一つ目は、彼女の外見と、目指す音楽の方向性の問題。
栃木県出身の彼女は、栃木県出身で活躍しているモデルやタレントと一緒に
とちおとめ図鑑という美少女図鑑に、掲載されるほどの美貌の持ち主である。

初めて彼女を見て、音楽活動していますと聞いたら
もしかしたら、アイドル歌手を目指しているのかなと勘違いするかもしれない。
事実、当日のお客の中にも、そういうイメージを膨らませていた人が存在した。

彼女自身も、そのギャップに対する心情を吐露している。
けれど彼女が目指す音楽は、彼女の言葉を借りるなら
打ち込み系ポップ音楽であり、ロックである。

今の日本の音楽シーンは、アイドルグループが席巻している。
そんな状況の中においてなお
アイドル以上の容姿を持ちながら、独り立ち向かう姿は、お見事ではあるまいか。

そのことを浸透させていくためには、事務所のバックアップは当然のことながら
一人でも多くの観客に、彼女の音楽を届かせることしかないだろう。
そういう意味で、彼女の尋常ではないライブ活動は、当たりなのかもしれない。

もう一つ。
芸能界は浮き沈みの激しい世界である。
夢を叶えられる人は、ごくわずかしかおらず
その夢を継続できる人は、もっともっと限られた人になってくる。

実力があれば、観客がついてくる、というのは幻想で
可愛ければ、観客がついてくる、というのも幻想である。

実力があって可愛くて、それでも夢に届かない人だっている。
彼女が今後いかに、セルフプロデュースをしていくのか、興味は尽きない。

いずれにせよ、Ha°Ruから、高実子陽香へ。

彼女の第二章の始まりである。
彼女の目の前には、どんな大海原が広がっているのだろう。


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