シナリオ

ミニシナリオ「ボーダーライン」

#0914テーマ「幼なじみ」

登場人物
・中野良太(25)…大学病院の研修医。
・山下圭一(25)…良太の同級生。教師。
・メリッサ(?)…フレンドリーな外国人。

〇 代々木パークマンション・全景(早朝)
  7階建てのマンション。
  朝日が照り付けている。

〇 同・中野家・リビング(早朝)
  5階の角部屋に、中野良太(25)が住んでいる部屋がある。
  ソファの上で良太が寝ている。
  転げ落ちて、目が覚める。
  二日酔いのせいか、かなり頭が重たい。

  室内には、飲み終えたビールの空き缶や、おつみまみの袋、脱ぎ捨てられ洋服が散乱している。
  洋服をつまみあげ、しばらく呆けている。
  唐突にベランダから、メリッサ(?)が入ってくる。

メリッサ「ワオ。目が覚めたね。グッ・モーニン、リョーちゃん」
良太「え? モ、モ?……」

  浴室の扉が開き、山下圭一(25)が出てくる。

圭一「あ、おはよう、良ちゃん」
良太「良ちゃん?」
圭一「メリッサ、お先」
メリッサ「ハイ」
良太「メリッサ? お先?」
圭一「うふ、その顔は二日酔いね。少し飲みすぎたかしら?」
良太「んんん? えーっと……ごめん、まだ目が覚めていない。というか、この事態が、状況? 飲み込めていないんですけど」
圭一「良ちゃんもシャワー浴びてきたら? すっきりするわよ。」
良太「シャワー……? 俺、今、二日酔いで……お前は……お前は誰だよ!」
圭一「ん? それは私がナニモノかという質問でいいのかしら?」
良太「どうして、人の家のシャワーを、勝手に使ってるんだよ!」
圭一「ええええ? まさか私のこと憶えていないの? 劇的な感動の再会をしたのに? 圭一、チョーショックなんですけど」
良太「再会……圭一……ん? あれ? 山下圭一?」
圭一「ピンポン。大正解。思い出してくれた?」
良太「甲南二中の」
圭一「そう」
良太「野球部で」
圭一「そう」
良太「キャッチャーしてた」
圭一「してた、してた」
良太「あの、山下圭一……君で、あってますか?」
圭一「その、山下圭一君であってますわよ」
良太「んんんーと、では、こちらにいらっしゃる女性は?」
圭一「メリッサ」
メリッサ「ハイ、ナイス・トゥ・ミーチュウ」
良太「ナイス・トゥ・ミーチュウ……じゃないよ。お前こそナニモノだよ!」
圭一「メリッサのことも、憶えてないの?」
良太「待って待って……昨夜は……六本木で飲んで……」
圭一「それから、新宿二丁目まで移動して」 
良太「二丁目……? あれ……お前は、山下圭一だよな?」
圭一「そうよ」
良太「甲南二中の、野球部で、キャッチャーをしていた、山下圭一」
圭一「そしてあなたが、ピッチャー」
良太「隣にいる女性が……」
圭一「メリッサ」
メリッサ「ハイ、ナイス・トゥ・ミーチュウ」
良太「それはもう終わったの」
圭一「お水飲んでいいかしら。ミネラルウォーターとかある?」

  と言いながら、圭一、キッチンへ入って行く。

圭一の声「さすが、ドクターの卵。高級なお水を飲んでいらっしゃる」
圭一、ミネラルウォーターの入ったペットボトルを持って戻ってくる。

  圭一、仁王立ちで水を飲む。

圭一「メリッサ、あなたも飲む?」
メリッサ「ハイ」

  圭一、ペットボトルをメリッサに手渡す。
  メリッサ、同じく仁王立ちで水を飲む。

良太「とにかくさ、まず、服を着よう。むしろ着てくれ」
圭一「ええ? もうしばらくこのままがいい」
良太「ダメ! 絶対!」
圭一「ケチ」
良太「話はそれからだ」
圭一「だって、メリッサ」
メリッサ「ハイ」
良太「あんた、さっきからそればかりだな」

  良太と圭一、視線が合う。

圭一「……いやだあ。そんなに見つめられたら着替えにくいー。恥ずかしいじゃないのー」
良太「す、すまん」

  良太、慌てて後ろを向く。

良太「あのー、山下君は……」
圭一「なあに、その他人行儀的な感じ。圭一って呼び捨てにしてよ。昔みたいに」
良太「圭一は……つまり、今は……そういう趣味があるというか……傾向にあるというか……」
圭一「また聞く? 私の武勇伝。」

   続く(かもしれない)


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