落語

小言幸兵衛(こごとこうべい)

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どんな空間、どんな時間にも、小言の好きなおばちゃんがいる。

おばちゃんは、陰でお局様なんて呼ばれたりもしているが
これは決して褒め言葉ではないことを、本人は知らない。

おばちゃんは頼まれもしないのに、他人の世話を焼くのが大好き。
それこそ大きなお世話だから黙っていればいいものを
本人はよかれと思っているのだから、始末が悪い。

数年前まで、某占いで有名なおばちゃんがテレビに出まくっていた。
おばちゃんは占いと称して、その人の人生にダメ出しをするのだけど
僕から言わせてもらえば、ただの説教じゃんと突っ込みたくなった。

それでもみんな神妙な面持ちで、黙って聞き入っている。
中には、涙をこぼすものまでいた。

おいおい、涙はもっと大切な時のために取っておけよと
やはりここでもテレビに向かって一人突っ込みをしていた。

あの当時は、今とは違う意味で時代がヒリヒリしていて
誰もが何かに助けを求めて、それこそ藁をもすがる思いだったのだろう。
だから説教おばちゃんのような存在は重宝がられて
しまいには、守護霊だの前世だの水子だのいたこだの
なんでもいいから責任転嫁できる対象を探し求めることになった。

亀田バッシングもちょうどこの時期だったと思う。
あそこまで持ち上げておいて(主にT○S)
試合に負けた途端、一斉にブーイングが始まった。
オセロの駒が白から黒へ変わるように。見事なまでに手のひら返して。

説教おばちゃんも亀田兄弟も、結局はマスコミによって作られた虚像だ。
だから簡単に化けの皮がはがれる。

でも忘れてはならないのは、虚像を喜んで受け入れたのは視聴者であり
その視聴者の欲は限度を知らないから、さらに上の刺激を求める。

極論すると、そんな欲望のなれの果てが、今の日本の現状だと思う。

今の日本は、当時とは違う意味で空気がヒリヒリしている。
誰もが加害者になれるし、被害者にもなれる。そんな時代。

もうヒリヒリというより、マヒしていると言った方が適切かもしれない。
痛みを感じなくなったら、怪我は怪我のままで一生治らない。
治るどころか、ますます悪化していく。

説教おばちゃんよ、あなたが虚像でないと言うのなら
どうか今こそ表舞台に立って
この国に麻酔をかけている愚か者どもに喝を入れてはくれまいか。


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