落語

饅頭怖い(まんじゅうこわい)

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もし、この世の中で、自分のことを知っている人が誰もいなかったら…

恐らく、僕が最も怖いものは、このぽつねんとした状態だと思います。
寄る辺も無く、誰からも相手にされないことの寂しさ。

孤独でいることとは、また少し意味合いが違います。
孤独は、内なる自分と向かい合い、一人で立つことの意味を教えてくれます。
不安と闘うことで、自分を成長させてくれます。

世間や空気といった
身の回りにとりつく、得体の知れない恐怖に打ち勝つ力を与えてくれるものが
本物の孤独です。

ところが、自分の存在を認めてくれる誰かがいないと
この孤独さえ味わうことができません。

極論すると、友人を作ることも、恋をすることも
自分は一人じゃないという安心を手に入れるためです。
誰かに必要とされて、はじめて自分の存在意義を確認することができるのです。

荒野に放り出されて一人ぼっちになるよりも
社会にとけこめず、誰からも相手にされないことの方が、ずっとずっと怖ろしい。

誤解を恐れず言えば
無視されるということは、あえて「なかったことにされる」状態ですから
とらえようによっては、まだ救いがあります。

けれど、自分の過去、現在を知る人が誰もいない。
未来を託せる相手がどこにもいないとなると
なにを基準に、自分という存在を判断すればいいのか分からなくなります。

想像するだけでも、冷や汗が流れますね。

東野圭吾さんの作品に「白夜行」という小説があります。
ドラマや映画にもなったのでご存知の方もいらっしゃるでしょう。

作品の中で、主人公の女性は次々とサクセスストーリーを歩いていきます。
それもひとえに、陰で支えてくれる男性がいたからこその話です。
この男性は、過去も現在も自分で自分記録を消しています。
この世には存在していないことになっています。

それでも、どうにか生きてこれたのは
主人公の女性を支えているという自負と
彼女だけが自分を知っているという安心感があったからだと思っています。

ネタバレになるので、これ以上は踏み込みませんが
僕の人生に多大な影響を与えた小説のトップ3に入っている作品です。
文庫版は、通常の文庫の倍以上ぶ厚いですが、ご興味があれば、ぜひ。

自分の存在を消すという意味では
浦沢直樹さんの「MONSTER」というマンガも同じようなことが言えます。
僕がその面白さをとうとうと語るものだから
じゃあ、読んでみると言ってくれた友人がいました。

そして読み終わって感想を聞くと
「これって実話なの?こんなに怖いことって本当にあるの?」と質問されました。
旧東ヨーロッパの歴史的事情も相まって、内容的にはかなり複雑ではありますが
これもぜひお勧めしたい作品の一つです。

いずれにせよ
たとえば、このブログを読んで下さっている方がいるから
僕はブログを更新することができるし
話し相手がいるから、携帯電話を肌身離さず持っているのです。

いずれ、僕という存在がこの世から消えてなくなったとしても
そしていつの日か、思い出に変わってしまったとしても
あなたの記憶の片隅にいる、というだけで、きっと安心できるのかもしれません。

そんなわけで、メッセージ、コメント、メール、電話等々
心よりお待ちしております。

ちゃんちゃん。


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