英語

do away with

$こうたろ.com
:I’m going to do away with my old PC and buy a new one.
:Let’s do away with all formalities.

人間には、忘却というシステムがあります。

この忘却というシステムの素晴らしい点は
記憶を片っ端から忘れさせてくれるということです。

上書きしてくれると言えば分かりやすいかもしれません。

人間は全知全能ではありません。
すべての思い出を抱えたまま生きていくことは不可能です。
そんなことしたら、気がふれるか、脳が爆発するか、とんでもない目にあいます。

ただ残念なことに、この忘却というシステムは
悲しい思い出だけでなく、楽しかったことや嬉しかったことも一緒に消去します。

そういうところだけは平等に作られているので
時々恨めしかったりすることがあります。

でも、どんなに記憶がなくなっても、体験したという事実は消えません。
それはすべて身体が憶えているからです。

記憶の回路は、
主に、心が憶えていることと身体が憶えていることの二つがあると思っています。

身体の記憶とは、たとえば自転車のこぎ方とか、火は触れると熱いものであるとか
そういうことです。
厳密に医学的にいえば、それも心の記憶の回路の一つなのでしょうが
ここでは便宜上、身体の記憶と呼ばせて頂きます。

親しい人が亡くなった。
その時は、悲しみにあふれ、途方にくれるかもしれません。
しかし七回忌を迎える頃には、案外気持ちの整理がついて回復しているものです。

ただ、亡くなったという事実だけが残っています。
それが心の記憶と身体の記憶の違いです。

もちろん、理不尽で暴力的な亡くなり方をした場合などは、別ですが。

僕には、どうしても忘れたくない出来事というものがあって
こいつだけは、意地でも忘却するものかと、必死に抵抗しています。

心が忘れて、身体だけが憶えているのなら
爪に火を灯す勢いで、心の記憶を必死に呼び起こそうとします。

そんなことをしたところで、誰が喜ぶわけでもないし、不毛な抵抗かもしれません。
それでもあの日僕を襲った出来事は、絶対に認めることができないのです。

まあ、僕の話はいいとして。

あなたが、もし今失恋をしてどん底にいるのだとしたら。
もし友達に裏切られて、絶望の淵にいるのだとしたら。
存分に忘却というシステムを活用すべきです。

だって、幸せとは過去にすがることではなく
これからの未来に転がっているものですから。


Leave a Reply

Your email address will not be published.