故事成語

自家薬籠中の物(じかやくろうちゅうのもの)

kusuri

久しぶりに牛肉を焼きました。
焼き肉のたれで食べるのもアレなんで
かつて「ステーキ」と称して焼いていた味付けで。

学生時代のバイトは、そのほとんどが深夜の飲食店でした。
理由の一つは、まかないがつくこと。
これは貧乏学生にはありがたい。

もう一つは、自分で料理を覚えられること。

包丁さえろくに握ったこともなかったのに
「厨房を希望します」と面接の時に答えて
先輩たちから、やいのやいの言われながら覚えていきました。

一度身体で覚えたものは、そうそう忘れるものではありません。
おかげさまで、たいしたメニューではありませんが
今でもキッチンに入れば、その時の体験が役に立っています。

多分、炭火で焼き鳥焼けるんじゃなかろうか。
どうだろ。

技術を身体に染み込ませるという経験は
知識を頭に詰め込むだけよりも説得力が増します。

遠い昔、ワークショップリーダーなんてものをやっていた時
ワークのカリキュラムを組み立てるわけですが
それらも本を読んで頭で覚えただけのものでは
実際の現場で何の役にも立ちません。

だから僕は、積極的に外へ出ていって
色々な演出家さんやリーダーさんのもとで
一人の参加者として体験し、技を盗んでいました。

同じことをやるにしても、真似をしただけではやっぱりダメで
そこに自分なりのアイディアやオリジナリティを付け加えるのです。

それの繰り返しによって
いつの間にか自分のモノになっていくんですね。

引き出しは多ければ多いほどいい。
参加者のコンディションやメンタルにあわせて応用が利きますから。

学校の勉強でも同じことが言えます。
結局のところ、知識として覚えたものは
今ではすっかり抜け落ちています。
歴史の年号なんかがいい例です。

そうではなくて、興味関心を持って覚えたものは
おぼろげでもまだ役に立つことがたくさんあります。

知識を知恵に変えること。
教養を身につけること。

本当に賢い人っていうのは
それらを当たり前のようにこなしていくんです。

若いころは、吸収するスピードが早かったのになあ。
最近ではスローダウンしているし、抜けていくのも早い早い。

世の中には、まだまだ知りたいことが山のようにあります。
ゆっくりでもいいから、一つひとつ丁寧に確実に
身体の内側に染み込ませていきたいなあと思うのでした。


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