落語

怪談牡丹燈篭(かいだんぼたんとうろう)

$こうたろう.com

怪談とはいえ、とても有名な恋バナです。

ということで、クリスマス記念。
今夜はゼミで書いたミニシナリオを載せてみます。(大丈夫か?)

「失恋」というテーマで書いた、恋バナです。
これだけは、なんのこっちゃと思われるでしょうが
まあ、はい。
こんなことをやっています。

「いつかはラブソング」

登場人物
・川原広行(34)…サラリーマン。過去に里美とつき合っていたことがある。
・武田里美(33)…OL。結婚を間近に控えている。
・牧村茜(4)…公園で遊んでいる子ども。
・母親(35)…茜の母。
・大江隆史(34)…広行の親友。里美の婚約者。

○ 都内にある小さな公園(夕方)
  ある晴れた土曜日の夕方。
  季節は秋から冬へ変わりつつある頃。
  駅前の商店街を抜けた所に、公園がある。
  公園の規模としては、珍しく、遊具が一通りそろっている。
  物陰に隠れて、遠巻きに公園内を見つめている女性‐武田里美(33)がいる。
  近所の親子連れが何組かいて、子どもたちが元気よく遊んでいる。
  そんな様子を、ベンチに座ってぼんやり眺めている、川原広行(34)。
  広行の元へ、牧村茜(4)が駆け寄ってくる。茜の手には風船が握られている。
  じっと広行を見つめる茜。

広行「……(両手で顔を隠した後、開いて)ばああ」

  茜の母親が近づいてくる。

母親「茜、ほら、いらっしゃい」

  茜、母親の元へ戻る。

広行「……」

  何度も広行の方を振り返る、茜。
  一連の動作を見終ると、里美、背後から広行に近づく。
  そして唐突に声をかける。

里美「お待たせ!」
広行「(驚いて)おうっ!」

  広行、振り返ると、里美が立っている。

広行「ビックリしたあ」
里美「遅れてごめんね」
広行「いや……俺も今来たところだから。っていうかなんで後ろ?」
里美「隣、座っていいかな」
広行「無視かい」

  里美、回り込んで広行の隣に腰を下ろす。
  里美、茜を目で追ったあと、他の子どもたちにも視線を移す。

里美「……」
広行「……」
里美「ヒロ君」
広行「ん?」
里美「ヒロ君てさ、子ども好きだっけ?」
広行「子ども……? 子ども、子ども……どうかな」
里美「……そっか」
広行「……なんで?」
里美「もしね……私たちに子どもがいたら」
広行「……」
里美「……なーんでもなーい。晴れてよかったね」
広行「さすがに、少し冷えてきたけどな」
里美「やっぱり、どこかのお店に入る?」
広行「いいよ、ここで。だろ?」
里美「……ありがと」
広行「ガラにもなくおセンチになっちゃって」
里美「だってぇ、私、まだ16だからぁ」
広行「おい、おばさん」
里美「おばさん、言うな」
広行「せっかくだから、ブランコにも乗るか」

  広行、ベンチから立ち上がると、ブランコへ移動する。後を追う、里美。

広行「よっしゃ」

  広行、ブランコをこぎ出す。
  里美は、隣のブランコに座ったままうつむいている。

広行「(一心不乱にこいでいる)」
里美「……」
広行「招待状、届いたよ」
里美「……隆史は、広行のこと誘うつもりでいるから」
広行「だろうな」

  広行、さらに力を込めてブランコをこぐ。

広行「その日、仕事なんだ」
里美「……うん」
広行「だから、行けない」
里美「……うん」
広行「悪いな」
里美「……」
広行「俺さ、子どもの時、ブランコ大好きで」
里美「……」
広行「絶対に一回転してやると思ってたんだ」
里美「……」
広行「ま、構造上不可能なんだけど。そんなこと知ったの、ずっと後になってからだ し」
里美「ヒロ君」
広行「いつかできる。いつかできるって、ずっと思ってたんだよ」
里美「あのね、ヒロ君。私ね」
広行「とうっ!」

  広行、ブランコから飛び降りる。

広行「やっぱり寒いわ。そこでコーヒー買ってくる」
里美「ヒロ君!」
広行「分かってるって……微糖だろ」

  広行、小走りで去っていく。
  後ろ姿を見つめる里美。
  気がつくと、足元に茜が立っている。

茜「お姉ちゃん。お姉ちゃん」
里美「うん?」
茜「これ、あげる」

  と言って風船を手渡す。

里美「えっ? ……あ」
母親「茜、帰るわよ」
茜「はーい」

  茜、母親の元へ戻る。
  牧村親子、手を繋いで歩いていく。

母親「(歌って)これっくらいの、お弁当箱に」
茜「お母さん」
母親「なあに?」
茜「あのお姉ちゃん、泣いてたよ」
               
              了

では、素敵なクリスマスをお迎えください。


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