芝居

第三舞台

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第三舞台、封印解除&解散公演「深呼吸する惑星」を観てきました。
本日、福岡にて大千秋楽を迎えるにあたり
チケットが取れなかったり、地方で観ることができないファンのために
全国30館の映画館でパブリックビューイングが行われてたのです。

もうDVDになるまで観られないだろうなとあきらめていたところ
この企画の存在を知り、おかげでスクリーン越しとはいえ
最後の「旅立ち」の瞬間に居合わせることができました。

開演前の鴻上さんの粋な計らいに、すでに涙腺が緩み
最後の「MORE THAN THIS」が流れた途端
これまでの記憶が一気にフラッシュバックして
芝居が始まる前からすでに、脈拍が上がっていることが分かりました。

そもそも僕と第三舞台の出会いは
大学の演劇サークルに入って1年目の時
たまたま読んでいた演劇の専門誌に、第三舞台の特集記事が組まれており
まだまだ演劇界のことを何にも知らなかった当時
偶然にもチケットを手に入れることができて、観劇したことが発端でした。

のちに岸田戯曲賞を受賞することになる「スナフキンの手紙」という舞台でした。

以来、あれやこれやと手をつくし、第三舞台の情報を仕入れて
こんなにも化物のような劇団があったんだということを、後付けで知ったのです。

そして、あらゆるメディアに登場する第三舞台の役者や鴻上さんのエッセイなどに
いちいち心を打たれては追っかけをする、ただのミーハーなファンになりました。

実際に鴻上さんが開催したワークショップにも参加したことあるし
某女優さんとインプロの稽古をなんどかご一緒させて頂き
朝まで飲み明かして、数々の武勇伝を直接聞いたこともあります。

今となって信じられないような、貴重な財産ですね。

帰路の途中、結局、僕にとっての第三舞台とはなんだったんだろうと考えました。

僕が創ってきた芝居は、野田秀樹さんの影響が大きいと言われ
実際、そういう突っ込みを入れられて、はいそうですと答えてきたのですが
じゃあ、第三舞台や鴻上さんの影響を受けなかったかといえば
そんなことはあるはずもなく
やはり自分の中では、芝居を創る時の原点だったと思っています。

同時に芝居を離れた日常で、鴻上さんが書いたセリフやコメントが
ぐいぐいと背中を押してくれたり、チクチクと突き刺さったりしていました。
だから、記憶のすり込みのように、必ず心のどこかにその存在があったのです。

そしてこれからも、その存在は消えることなく
僕に語りかけてくれるだろうと思っています。

福岡の劇場は、幕が下りた後も、スタンディングオベーションで役者を迎え
役者紹介やこれまでの記録のVTRが流れ、それでも依然として拍手は鳴り止まず
最後は鴻上さん本人が、「もうおしまい」と言って、ようやく収拾がつきました。

映画館で近くに座っていた熱烈ファンも涙を流し拍手を送っていました。
初めて第三舞台を観た観客は、きっと何かしらの感銘を受けただろうし
学生時代から知っている往年のファンに取っては
名残り惜しいなんてものじゃなかったのでしょう。

帰りの電車の中で、鴻上さん手書きのご挨拶を読み直しながら
僕の中の青春もまた、一つの区切りを迎えたのです。


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