落語

牛ほめ(うしほめ)

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「親思ふ こころにまさる親ごころ けふの音づれ何ときくらん」

幕末、開国倒幕運動の先駆者、吉田松陰が斬首される間際に残した言葉です。

親にとっての一番の親不孝は、親よりも先に逝ってしまうことだと思います。
どんな大義名分があったにせよ、松陰もそんな親不孝者の一人でした。

さてさて、我が家は3人兄弟なんですが
親、曰く「3人とも、それほど苦労せずに子育てできた」らしいです。
荒れることもグレることもなく、一応、それなりに成長したんだとか。

ところが、20歳を過ぎたあたりから雲行きが怪しくなってきて
今では「どこで子育てを間違えたのだろう」と嘆くばかりです。

3人とも、ニッポンという社会のシステムが肌に合わず
最低限の義務(たとえば勤労だとか納税だとか)はこなすけれど
それでも他の家庭に比べれば、自由に生きている気がしてなりません。

海外志向が強かったり、独立独歩の道を進んだり
僕は僕で好きなことやっているし。

両親ともに、僕が作った芝居はほぼ全作品観に来てくれました。
わざわざ栃木から東京まで。
就職もせずに、人生懸けて夢中になっているからには
どんなことをしているんだろうと、気になって仕方がなかったみたいです。

そしていつも感想を述べて帰っていくのですが
「回を重ねるごとに、お前の作品は分からなくなったきた」と言われていました。
それでも、何かしらの意図は組んでくれたみたいです。

たとえば、イラク戦争が始まる直前
戦争に反対する若者が、人間の壁になったことを憶えているでしょうか。
両親は、僕がそういった活動に参加するんじゃないかと本気で心配したようです。

ただ、イラクまでの交通費がないから大丈夫だろうと安心したと聞いて
なんだか素直に喜べない自分がいたりして。
というか、そんなメッセージ性のある作品なんて作ってないんですけどね。

親孝行は、親が生きている間にしかできませんから。
何らかの形で報いたいとは思っています。

それでも親にとっては、子どもが健康で生きていることが、1番の喜びらしいです。

自然の摂理の順番をきちんと守ること。
最低限、それだけはきっちりしようと思ってます。


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