落語

心眼(しんがん)

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昔、「世紀末の詩」という野島伸司さん脚本のドラマがありました。

ただでさえアクの強い野島作品ですが、このドラマはその中でも特に異色でした。
「愛とはなんぞや」という永遠のテーマに、真っ向から挑んだ作品です。

一話完結方式で、寓話性が強く、おもいっきり主観的な内容だったせいか
視聴率は振るわず、憶えている人もそんなにいないと思います。
でも僕はなぜか毎回楽しみにしていて、ノベライズまで買ってしまいました。

斉藤洋介さんがゲストの回がありまして
目の不自由な彼女のために、ひたすら愛を捧げます。

この彼女、目が見えるようになったら一番最初に何を見たい?という質問に
「自分の顔」と答えます。

これまで懸命に尽くしてくれた恋人の顔ではなくて、自分の顔が見たいと。
果たして、手術は成功して彼女は視力を取り戻します。

そして自分の美貌に気がついた時
同時に、支えてくれて手術代まで出してくれた斉藤洋介さんを見て
迷うことなく、別れの道を選びます。

つまり、見てくれで人を判断してしまうわけです。
この回では、そこに本物の愛はないよと、野島さんは言いたかったのでしょう。

誰だって第一印象は見てくれで判断してしまいがちです。
ハンサムなのか美人なのか、スタイルはどうか、身長はつり合うか。
残念ながら、合コンやお見合いパーティーなど
時間限定イベントではこの比重が大きくなります。

本当は内面を重視したいと誰もが思っていても
まずは、外見で判断して、そこから親しくなっていく過程で内面をジャッジ。
それが王道のパターンです。

こうなると、ブサイク村出身のこちらとしては、すでにハンデがあるわけですよ。
スタートダッシュに失敗しているわけだから、挽回するまでに時間がかかります。

さすがにこの歳になると、もうそういった卑屈さはなくなりましたけど
それでも二者択一で選択できるのなら
次に生まれてくるときは、ハンサム村でお願いしますと懇願したくなります。

翻って自分はどうか。
そりゃあ、ぶっちゃけ第一印象というものは大きいです。

でもね。
でも、詭弁でもキレイごとでもなく、第一印象にだって内面はにじみ出ています。
だから、たとえばテレビ画面越しに見る女優さんをキレイだなあと思う感覚と
直接お会いして、素敵だなあと思う感覚にはズレが生まれるのです。

もちろん後者の方が、何倍も重要です。

さらに不思議なことに、異性に惚れると
その異性を恋しいという気持ちが芽生えますから
相手が何をしてもチャーミングにしか見えなくなってしまうのです。

恋は盲目と言いますが、あちらこちらに気移りするよりは
盲目のままでいいんじゃないかと思います。

ちなみにドラマの中では、恋と愛は全く別物として扱われています。
そこを掘り出すと、結論の出ないまま、とりとめのない話になるので
今回のブログでは触れません。

好きな人の笑顔を見ること。
その笑顔の中に、優しくて穏やかで温かな感情が溢れていて
そしてそれらを見守る目を持つこと。

ハロー、ハロー。
恋ってやつは苦しいけど
苦しんだ分だけ、大きく育つんだよ。
だから今僕は、とっても幸せなのさ。


2 Comments

  1. SECRET: 0
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    心眼って 言うんですね。 とっても素敵な言葉。
    私も 世紀末の詩は 観てましたょ。(*^_^*)
    パンドラの箱 と いう言葉の意味は これを観て知りましたもん。 懐かしぃ(笑)
    私が一番好きだったのは、第4話の星の王子様です。
    好きだったというより、たまらなかったかなあ~(>_<) 胸がしめつけられる感じです。

  2. SECRET: 0
    PASS:
    >もも(リコ)さん
    こんばんは。
    「世紀末の詩」を知っている人がいると、なんだか嬉しい気分になります。
    年齢がバレるけど(笑)
    僕は最終回で愛を風船に例えるところが、グッときました。
    なんで評判悪いんですかね。いいと思うのですが。

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