シナリオ

ミニシナリオ「駆け込み乗車はおやめください」

#0303テーマ「電車」

タイトル「駆け込み乗車はおやめください」

登場人物
・瀬沼悦子(32)…シングルマザー
・瀬沼祐介(5)…悦子の一人息子
・杉本つかさ(32)…悦子の同級生

○ 瀬沼家・リビングルーム(午後)
  アパートの一室。
  瀬沼悦子(32)と、杉本つかさ(32)が、お茶を飲みながら、午後のひと時を過ごしている。
  瀬沼祐介(5)が、プラレールの上で、電車を走らせて遊んでいる。
  悦子、携帯電話に保存してある写真をつかさに見せている。

つかさ「(写真を覗きながら)へえ、なかなかいいじゃん」
悦子「でしょ」
つかさ「っていうか、もろ、あんたの好みだわ」
悦子「バレたか」
つかさ「それで、向こうは何だって?」
悦子「結婚を前提に、お付き合いして
くださいって言われた」
つかさ「マジで? なに? そこまで話進んでるの?」
悦子「うーん、まあ、そういうことになるのかなあ」
つかさ「もちろん、オッケーしたんでしょ?」
悦子「それが……ね、ちょっと保留」

  と言って、祐介の方に視線を移す。

つかさ「ああ」

  祐介、独り言を言いながら、真剣に遊んでいる。

悦子「向こうは、全然構わないって言ってくれてるんだけどさ。この子の気持ちを考えると……どうしようかなって感じ」
つかさ「祐介君には、きちんと話したの?」
悦子「この間、お昼を三人で食べたのね。その時に、これ(プラレールを指して)もらったの。プレゼントだって」
つかさ「子ども心が分かってますな」
悦子「そういうところ、気がきくのよ」
つかさ「素敵男子。オッケーしちゃいなよ」
悦子「ねー。私もそう思う」
つかさ「なに、その他人事みたいな発言は?」
悦子「多分、私がビビってるんだろうな。一回失敗してるし、向こう年下だし」
つかさ「そんなこと、関係ないじゃん」
悦子「あるの。父親と夫は別物なんだから」
つかさ「あんたが言うと、一気に重くなるわ」
悦子「やれやれ。お茶、おかわりする?」
つかさ「うん。頂く」

  悦子、キッチンへ向かう。

つかさ「祐介君」
祐介「(遊びに夢中になっている)」
つかさ「祐介君は、新しいパパができたら、嬉しい?」

  祐介、電車をわざと脱線させる。

祐介「ガシャン! ガシャン! ゴトン!」
つかさ「!……」
祐介「ドカン! バタン! ガー!」

  悦子、ポットを持って戻ってくる。

つかさ「……やっぱり、あれだね。少し慎重になった方がいいかも」
悦子「ん?」

続く(かもしれない)


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